S&I INTERNATIONAL BANGKOK OFFICE タイ事業競争法(1999)

   
   
   
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タイ事業競争法(1999年)

翻訳:清水浩子
監修:井口雅文


現国王プ−ミポン・アドゥンヤデートの命により、商品価格の規定及び独占禁止法において制定されていた独占禁止に関わる規定を改定し、ここに事業競争法を制定する。
本法にある個人の権利及び自由の制限に関する規定は、タイ国憲法第31条、第35条、第36条、第45条、第48条、第50条を構成する第29条の規定に依拠するものとし、本法は、タイ国憲法の同条文に基づく権限によってその行為が制定されるものとする。
国会の意見と同意を得て、以下のように制定されるものとする。


第1条 本法を「事業競争法1999年」と称する。

第2条 本法は、官報告示から30日後に発効する。

第3条 本法において、
「事業」とは、農業、工業、商業、金融・保険及びサービス業における活動、並びに省令に規定するその他の活動をいう。
「金融」とは、『商業銀行法』に基づく商業銀行業務、『投機事業・証券取引業構成法』に基づく投機事業及び信用取引、さらに『証券及び証券市場法』に基づく証券取引業をいう。
「事業者」とは、販売業者、製造業者、輸出又は輸入業者、製造あるいは販売のための購入業者、事業におけるサービス供給業者をいう。
「製品」とは、消費に使用される物品のことで、物品の権利を表示する文書をも含むものとする。
「サービス」とは、金銭あるいはその他の収益で報酬を請求することによって、業務処理の受託、権利の供与、資産あるいは何らかの事業の利用提供又は利益提供をすることをいう。ただし、労働費用は含まないものとする。
「価格」とは、製品の値段をいい、サービスの提供における報償額をも含む。
「市場において支配的地位にある事業者」とは、委員会が内閣の承認及び官報告示において規定した以上の市場占拠率および売上額を有する、製品市場又はサービス市場における一人あるいは複数の事業者をいう。この点においては、各市場の競争状況が調査されなければならないものとする。
「委員会」とは、事業競争委員会をいう。
「委員」とは、事業競争委員会の委員をいう。
「事務局長」とは、事業競争委員会の事務局長をいう。
「担当官」とは、本法に基づいて活動すべく大臣が任命した公務員をいう。
「大臣」とは、本法に基づいて任にあたる大臣をいう。

第4条 本法は、以下の者・機関の行為に対しては適用されないものとする。(1)中央公務員、地方公務員及び地域公務員(2)予算手続法に基づく国営企業(3)法律に根拠を有し、かつ農業従事者の事業経営における利益を図ることを目的とする農業従事者団体、協同組合あるいは団体組合(4)本法の条文の全編あるいは一部にわたって適用を除外するよう省令で規定された事業

第5条 商務省大臣は、金融事業においては商務省大臣及び大蔵大臣が共同して任にあたることを除き、本法に基づいて任にあたり、担当官を任命し、本法に基づいて活動するために省令を規定し、本法に基づいて公示を出す権限を有するものとする。
 省令及び公示は、官報告示後発効するものとする。


第1群 事業競争委員会

第6条 事業競争委員会は、商務省大臣を委員会の長、商務省次官を副委員長とし、さらに大蔵省次官、及び法律、経済、商業、経営あるいは国家行政における知識及び経験を有する、大臣によって任命された8名以上12名以下の有識者から構成されるものとする。また、事務局長は委員及び書記官を兼務するものとする。
前段落に基づく有識者の任命は、省令に規定する規則及び方法に従うものとする。

第7条 委員として任命される有識者は、政務官吏、政治上の職位を有する者、政党運営上の委員又は職位を有する者であってはならない。

第8条 委員会は、以下の権限及び責務を有するものとする。(1)大臣に対し、本法に基づく省令の告示について提案すること (2)市場占拠率及び売上額の基準内にある事業者が市場支配力を有する事業者であるとみなしている市場占拠率及び売上額の公表 (3)第18条(5)に基づく申告の審査 (4)第19条(3)に基づく検査又は分析のため、製品を見本として保管すること、あるいは製品を持ち出すことに関する規則を規定すること (5)第26条第二段落に基づく市場占拠率、売上額、資本金額、株総数あるいは資産額の規定を告示すること (6)事業者に行為の制限、停止あるいは改善・変更をさせるため、第30条及び第31条に基づいて発令すること (7)第35条に基づく、共同事業行為又は競争減少・制限行為の許可申請における方式、原則、手続きおよび条件に関する規定を告示すること (8)第35条に基づき提出された、共同事業行為又は競争減少・制限行為の許可申請に関する審査 (9)一般人を召喚し、事実、説明、助言あるいは意見を陳述させること (10)本法に基づく違反行為の調査審問における、調査審問小委員会の監督及び督促 (11)本法に基づく業務を有効に行うため、担当官の業務執行に関する規則を規定すること (12)委員会の権限及び責務として規定された、法に基づくその他の公務を執行すること (13)第55条に基づく被害者の苦情に従った刑事手続きの審査

第9条 第6条に基づく資格を有する委員の任期は1期につき2年とする。
第一段落の前述の任期満了時に、新しい有識者の委員の任命がなかった場合、新しい委員が着任するまで、前述の任期を満了した委員は以後も継続して活動するものとする。
任期が満了した有識者の委員は再任されることが出来るが、2期を超えて続けて委員の地位を保持する事は出来ないもとする。

第10条 1996年行政に関する公務執行手続法第75条、第76条、第77条、第78条、第79条、第80条、第81条、第82条及び第83条を準用し、有識者委員の任命、有識者委員の役職解任及び委員会の会議に適用するものとする。また、委員が第7条に基づいて禁じられた職位を有することになった時は、その委員の地位を解任するものとする。

第11条 委員会は、小委員会を設置し、所要の案件についての意見の審査及び提出、又は委任された職務に基づく所要の任務の遂行、さらに委員会への報告をさせることができるものとする。

第12条 委員会は、単一あるいは複数の専門小委員会を設置するものとする。各専門小委員会は、案件に関係する者で、かつ法学、科学、工学、薬学、農学、経済学、商学、会計学あるいは経営学の知識及び経験を有する4名以上6名以下の有識者から構成され、国内取引局の代表者が小委員会の委員及び事務局長を兼任するものとする。
専門小委員会から1人が小委員会の委員長として選出されるものとする。

第13条 以下の案件について、専門小委員会は、委員会の委任を受け、委員会に対して意見を答申する責務を有するものとする。(1)第25条、第26条、第27条、第28条及び第29条に基づく、市場支配力の行使、共同事業行為、競争減少・制限行為に関わる案件(2)第37条に基づく共同事業行為、競争減少・制限行為に関する許可申請の審査(3)委員会からの委任に基づいて、委員会が検討あるいは公務執行を求めるその他の案件
本法の有効性を保持するため、専門小委員会は、本法に基づく職務遂行に関する意見及び提案を、委員会に対して提出することが出来る。
本法に基づく職務遂行において、専門小委員会は、関係者を召喚して証言させたり、あるいはその他の証拠の提出を求める召喚状を出す権限を有するものとする。

第14条 委員会は、単一あるいは複数の調査委員会を設置するものとする。各委員会は、警察官あるいは検事の中から任命された刑事事件に関する知識及び経験を有する者が1名と、小委員会委員としてさらに4名以下の経済学、法学、商学、農学あるいは会計学の知識と経験を有する公務員で構成され、さらに国内取引局代表1名が小委員会委員及び事務局長を兼任するものとする。
調査小委員会は、本法に基づく違反行為に関する捜査及び審問の権限及び義務を有するものとする。さらに、職務遂行後、さらなる審査のため、委員会に対して意見を答申するものとする。
調査小委員会は、委員の中から1名を小委員会の委員長として選出するものとする。

第15条 本法に基づく任務遂行において、第14条に基づく委員及び調査小委員会委員は、刑事訴訟法に基づく捜査官と同様の権限及び義務を有するものとする。

第16条 委員会は、検察官に起訴命令を出すべきという意見あるいは刑事訴訟法に基づく検察官の不起訴命令に異議がある場合、委員長が国家警察司令官あるいは県知事の権限を行使できるものとする。

第17条 第9条及び第10条を小委員会、専門小委員会及び調査小委員会に準用するものとする。


第2群 事業競争委員会事務局

第18条 事業競争委員会を商務省国内取引局に設置するものとする。国内取引局長は統括責任者として事務局長に任じ、事務局の公務執行において責務を有し、さらに以下の権限及び義務を有するものとする。(1)委員会、不服申立て審査委員会及び委員会が設置した小委員会における行政事務の遂行(2)事業競争委員会事務局の業務を有効に遂行するための規則の規定(3)事業者の動向及び状況を追求し、さらに委員会に報告すること(4)事業行為における製品やサービス、又はその事業行為における動向に関する研究や分析。さらに事業行為における市場支配力の行使、共同行為、競争の減少・制限行為を禁止する指針及び意見を委員会に対して答申すること(5)本法の違反行為を訴えた者に対する申告の受理、さらに委員会に検討を具申する審査対象の選定。この点は、委員会が官報において公示した規則によるものとする。(6)本法に基づく職務遂行における、関係当局あるいは関係機関との連携(7)告示、規則及び委員会の意見に基づく公務の執行。さらに委員会、不服審査委員会、あるいは委員会が設置した小委員会の委任に基づく公務の執行

第19条 本法に基づく公務執行において、担当官は以下の権限を有するものとする。
(1)検査あるいは審査のため、関係者に対し召喚状を交付して出頭を命じ、証言させ、事実の陳述あるいは説明を文書にて報告させること。あるいは帳簿、登録証、文書又はその他の証拠を送付させること
(2)本法に基づいて審査するため、あるいは本法に基づいて押収可能な証拠あるいは財産を捜索及び押収するため、あるいは本法に基づいて違反者を逮捕するため、法律に違反している疑いのある事務所、製造所、購入・販売場所、製品保管所、事業者あるいは他人がサービスを提供する場所又はその他の場所に立ち入ること。ただし、以下の場合においては、捜索令状を必要としないものとする。ア.現場において違反が明らかになった場合 イ.目前で違反をした者が逃走した場合、あるいは現場に隠れたという確かな理由がある場合 ウ.本法に基づいて没収可能な証拠あるいは財産が現場に存在する疑いがある場合に、捜査令状の持参が遅れることによってその証拠あるいは財産が移動、隠匿、破壊され、あるいは改ざんされると信じるに足りる理由があるとき エ.逮捕された者が現場の所有者であり、かつその逮捕に逮捕状があるか、あるいは令状なしに逮捕できる時 
本件において、事業者あるいは関係者から事情聴取すること、あるいは帳簿、登録証、文書あるいはその他の書類を要求する権限を有し、その現場にいる前述の者に、所要の公務執行を行わせることも含む。
(3)委員会が官報に告示した規則に基づき、検査あるいは調査・分析をするため、商品代金を支払うことなく、見本として所要の商品を保管あるいは持ち出すこと
(4)検査及び本法に基づく法的措置を有効に執行するため、書類、帳簿、登記簿、文書あるいは証拠を差し押さえること

第20条 担当官の任務遂行において、関係者は然るべく便宜を供与しなければならない。

第21条 担当官の任務遂行において、担当官は、関係者に対し、大臣が規定し官報に告示した様式に基づいた身分証明書を提示するものとする。

第22条 担当官は、第13条第三段落、第19条(1)あるいは第44条(3)に基づく召喚状を、召喚状に明記された者の居住地あるいは職場に対し、日の出から日没の間あるいはその者の業務時間内に届け、又は書き留め郵便により送付するものとする。
担当官が第一段落に基づいて送付したが、召喚状宛先人が正当な理由なく召喚状の受領を拒否した場合、担当官は、その場所に召喚状を置いておくため、行政官あるいは警察官を証人として同行させるものとする。しかし、もし居住地あるいは職場において召喚状宛先人に会えなかった場合は、居住地又は職場にいる、あるいは労働している成人に渡すことが出来る。さらに、もし該当者に会えなかった場合、あるいは代わりの受領者がいなかった場合、証人として同行している行政官あるいは警察官の前で、居住地あるいは職場の見えやすい所にその召喚状を掲示するものとする。
担当官が第一段落あるいは第二段落に基づき職務を遂行した場合、召喚状宛先人が召喚状を受領したものとみなす。もし、召喚状が掲示された場合、召喚状が掲示された日から5日間をもってその召喚状が受領されたものとみなす。しかし、書留郵便による送付の場合は、届済み日から5日間をもって受領したものとみなす。

第23条 本法に基づく公務執行において、委員、不服審査委員、小委員会委員、事務局長及び担当官は、刑法に基づく事務担当官であるものとする。

第24条 本法に基づく違反者の逮捕を有効にするため、担当官は、刑事訴訟法における行政官あるいは警察官の権限と同様の権限を有するものとする。
違反者の逮捕は、現行犯である場合、あるいは刑事訴訟法が行政官あるいは警察官に対して逮捕状なしに逮捕出来ることを規定しているその他の理由がある場合は、逮捕状なしに出来るものとする。


第3群 独占禁止

第25条 市場支配力を有する事業者は、以下のいずれかの特徴を有する行為を行ってはならないものとする。(1)製品又はサービスの購入・販売価格を、不当に規定又は維持すること(2)取引の相手方が、サービスや製品の製造や購入又は販売を制限したり、あるいは製品の販売・購入、又はサービスの享受・供与、もしくは他の事業者から融資を受ける機会を制限せざるを得ないような、直接的あるいは間接的な条件を不当に定めること(3)市場における需要を下回る量にするために、サービス、製造、購入、販売、納入、タイ王国への輸入を、正当な理由なく停止・低下あるいは制限し、製品に損害をこうむらせること(4)他の事業者の事業に正当な理由なく干渉すること

第26条 事業者は、委員会が官報の公示に基づく競争において、独占あるいは不当行為が生じる恐れのある事業合併を行ってはならないものとする。ただし、委員会から許可を得た場合は除くものとする。
第一段落に基づく委員会の公示は、事業合併するにあたって適用されるべき一定数量以上の市場占拠率、販売数、株数、資本金又は資産額が明記されるものとする。
第一段落に基づく合併は以下の意味を含むものとする。(1)一つの事業の存続及び終了、あるいは新たな事業が発生する結果となる、製造業者間の結合、販売業者間の結合、製造業者間と販売業者間の結合あるいはサービス業者間の結合(2)企業経営、業務提供あるいは業務処理の方針を管理するため、他企業の全資産あるいは一部の資産を買収すること(3)企業経営、業務提供あるいは業務処理の方針を管理するため、他企業の全株あるいは一部の株を買収すること
第一段落に基づく許可申請は、第35条に基づき、事業者が委員会に対して申請書を提出するものとする。

第27条 事業者は他の事業者と共同して事業活動を行う場合、如何なる製品市場、あるいは如何なる形態のサービスであれ、以下のような特徴を有する、独占あるいは競争減少もしくは競争制限となる如何なる行為をもしてはならないものとする。(1)製品販売価格あるいはサービス供給価格を、同一価格又は協定価格として規定すること、又は製品販売量あるいはサービス供給量を制限すること(2)製品購入価格あるいはサービス受給価格を、同一価格又は協定価格として規定すること、又は製品購入量あるいはサービス受給量を制限すること(3)市場独占あるいは市場管理に介入するため、協定を締結すること(4)特定の事業者に製品あるいはサービスの価格入札を受けさせるため、又は特定の事業者に製品あるいはサービスの価格入札競争に参加させないために、共謀して協定あるいは条件を定めること(5)他の事業者と製品あるいはサービスの販売競争をせずに、各事業者が、一定地域内で製品あるいはサービスを販売又は販売を縮小できる地域分割について定めること、又は各事業者が製品あるいはサービスの販売先顧客を定めること(6)事業者が共同して、製品あるいはサービスを購入できる地域分割を定め、あるいは製品又はサービスを購入できる事業者を定めること(7)市場の需要量よりも供給量を低く制限するため、各事業者が生産・購入・販売あるいはサービスする製品の量あるいはサービスの量を定めること(8)過去に生産・販売した製品あるいは供給したサービスの質を低下させ、それらを従来の価格又はそれを上回る価格で販売すること(9)特定の一事業者のみを、同一のあるいは同種の製品販売業者もしくはサービス業者として指定又は委託すること(10)同一の様式あるいは協定に基づいて実施させるため、製品の購入・販売あるいはサービスに関する条件もしくは実施方法を定めること 
ある期間において(5)(6)(7)(8)(9)又は(10)に基づく行為をしなければならない事業上の必要性がある場合、事業者は、第35条に基づいて、委員会に対し許可申請書を提出しなければならないものとする。

第28条 外国の事業者と取引関係のある事業者は、たとえその関係が、契約・方策・株の保有、あるいはその他の関係にあるとしても、個人の使用のために製品あるいはサービスを購入希望する国内の事業者が、外国の事業者から直接製品又はサービスを購入する選択の機会を制限させられるような行為をしてはならないものとする。

第29条 事業者は、公正で自由な競争でなく、かつ他の事業者の事業を破壊し、損害を与え、妨害し、あるいは制限する結果を招くような行為、あるいは他の事業者に事業をさせない目的の行為、もしくは事業を廃止せざるを得ない結果を招くような行為をしてはならないものとする。

第30条 委員会は、75%以上の市場占拠率を有する事業者に対し、市場占拠率を抑制・停止あるいは変更させる文書命令を出す権限を有するものとする。本件において、委員会は、執行における規則・方法・条件及び期間を定めておくことが出来るものとする。

第31条 委員会は、事業者が第25条、第26条、第27条、第28条あるいは第29条に違反しているとみなした場合、事業者に対しその行為の抑制・停止あるいは修正・変更をさせる文書命令を出す期限を有するものとする。この点において、委員会は、その命令の中で規則・方法・条件及び期間を定めておくことが出来るものとする。
第一段落に基づく命令を受領した事業者で、前述の命令に同意しない者は、第46条に基づき再審請求権を有するものとする。
委員会による第一段落に基づく命令があったことを理由に、事業者が委員会に対し損害額を請求することは出来ないものとする。

第32条 第31条に基づく審査において、委員会は、事業者・専門小委員会委員・調査小委員会委員あるいは関係する担当官に対し、自らの弁明を適切に構成する証拠を提示する機会を与えなければならないものとする。
第31条に基づく命令において、委員会は、真偽に関する問題及び法律の条項、さらに審査した委員の署名と共に、その命令の理由を明記することを必要とする。
第二段落に基づく命令の通知は、委員会が命令を出した日から7日以内に行われ、かつ第22条が準用されるものとする。

第33条 第31条に基づく命令を受けた者は、その命令に従わなければならない。ただし、裁判所あるいは不服申立て審査委員会が、委員会の命令を執行猶予又は無効とする判決あるいは命令を出した場合は除くものとする。

第34条 裁判所は、事業者に対し第25条、第26条、第27条、第28条又は第29条に基づき違反があると判決した場合、その事業者にその行為を抑制・停止又は修正・変更させる命令を出すものとする。


第4群 許可申請及び許可審査

第35条 第26条又は第27条(5)(6)(7)(8)(9)又は(10)に基づく行為の許可申請を希望する事業者は、委員会が官報で告示した様式・規則・方法及び条件に従って許可申請をしなければならないものとする
許可申請は、少なくとも(1)行為の理由及び必要性(2)実施方法(3)実施期間 を明記しなければならないものとする。

第36条 第35条に基づく審査において、委員会は、申請を受理した日から90日以内に公務執行を終了させるものとする。この点において、委員会は、事業者・専門小委員会委員あるいは関係する担当官に対し、自らの弁明を適切に構成する証拠を指摘かつ提示する機会を与えなければならないものとする。
第一段落による期限内に審査を終了できない必要性がある場合、委員会は、15日を越えない範囲でその期限を延長することが出来るが、その審査及び決定の期限を延長する理由及び必要性を記載し開示しなければならないものとする。

第37条 委員会は、審査及び検討した結果、第35条に基づく事業者の許可申請には、事業促進に有益な事業上の必要性があり、経済に重大な損失を与えず、かつ消費者全体が得るべき重要な利益に影響しないものであると判断した場合、その事業者に対し、文書により許可命令を出すものとする。しかし、委員会が不許可命令を出す場合は、その事業者に対し、文書により不許可命令を速やかに通知するものとする。
第一段落に基づく許可において、委員会は、許可を受けた事業者に対し、その活動の期間あるいは条件を定めることが出来るものとする。さらに、許可に関する審査において、委員会が基本的に依拠する経済状況・事実あるいは行為に変動があったとみなした場合、委員会は、何時でも前述の期間あるいは条件を増補改定あるいは廃止することが出来るものとする。
委員会の命令を受理した事業者でその命令に同意しない者は、第46条に基づく再審請求をすることが出来るものとする。

第38条 委員会は、第37条に基づく許可命令あるいは不許可命令を出す場合、真偽に関する問題、法律の条項及び審査した委員の署名と共にその命令の理由を示し、さらに第32条第三段落を準用するものとする。

第39条 第37条に基づいて許可を受けた事業者は、委員会から許可された範囲・期間及び条件の下で事業を運営しなければならないものとする。
事業者が違反をした場合、あるいは第一段落に基づいて活動しなかった場合、委員会は、その事業者の活動期間を規定することにより、第37条に基づく許可命令のすべてあるいは一部を取り消す権限を有するものとする。


第5群 損害賠償請求訴訟

第40条 第25条、第26条、第27条、第28条又は第29条の違反によって損害を受けた者は、その違反行為者に対し、損害賠償請求訴訟を起こすことが出来るものとする。
第一段落に基づく損害賠償請求訴訟において、消費者保護委員会あるいは消費者保護法に基づく団体は、消費者あるいは協会員に代わって損害賠償を請求する権利を有するものとする。

第41条 第40条に基づく損害賠償請求訴訟は、被害者がその損害を知った日、あるいはその損害を知りうるべき日から数えて1年以内に裁判所に法的措置を求めない場合、裁判所に対する訴訟権は消滅するものとする。


第6群 再審請求(不服申立て)

第42条 不服申立て審査委員会は、法学、経済学、経営学あるいは国家行政の知識及び経験を有する有識者で、大臣が任命した7人以下の委員から構成されるものとする。
不服申立て審査委員会は、委員の中から1人を同委員長として選出するものとする。
国内取引局局長は、国内取引局の公務員の中から同委員会の事務長及び副事務長を任命するものとする。

第43条 不服申立て審査委員として任命された者は、第7条に基づいて禁止されている職位を有する者であってはならず、かつ委員会の委員となることは出来ないものとする。

第44条 不服申立て審査委員会は、以下の権限及び義務を有するものとする。(1)第47条第一段落に基づく不服申立ての原則及び方法の規定(2)第31条あるいは第37条に基づく委員会の命令に対する不服申立ての審査(3)不服申立ての審査のため、関係者に証言させ、あるいは書類又は証拠を提出させるための召喚状の発令(4)第31条あるいは第37条による委員会の命令に基づく執行の猶予を命令すること

第45条 不服申立て審査委員の任期は、1期4年とする。
最初の任期が2年に達したとき、抽選により3人の委員が退任するものとし、前述の抽選による退任は任期満了に基づく退任とみなされるものとする。
第9条第三段落及び第10条の規定は、不服申立て審査委員会にも準用されるものとする。

第46条 第31条及び第37条に基づく委員会命令に対する不服申立ては、その委員会命令を受領した者が、委員会の命令を知った日から数えて30日以内に、不服申立て審査委員会に対して提出しなければならないものとする。

第47条 不服申立て審査の原則及び方法は、不服申立て審査委員会が官報で告示したところに従うものとする。
不服申し立て審査委員会は、不服申立てを受理した日から90日以内に審査を終了させ、申立て人に対し書面によりその旨を通知するものとする。さらに、第36条及び第37条の規定が準用されるものとする。
不服申立て審査委員会の決定を最終決定とする。
不服申立て審査委員会がその不服申立てに対し何らかの決定をした場合、委員会及び事業者はその決定に従うものとする。


第7群 罰則規定

第48条 第13条第三段落、第19条(1)あるいは第44条(3)に基づく、専門小委員会、担当官あるいは不服申立て審査委員会の召喚状に従わない者は、3ヶ月以下の懲役あるいは5千バーツ以下の罰金、又はその両方の刑を科せられるものとする。

第49条 第19条(2)(3)あるいは(4)又は第22条に基づく担当官の任務を妨害する者は、1年以下の懲役あるいは2万バーツ以下の罰金、又はその両方の刑を科せられるものとする。

第50条 第20条に基づいて担当官に便宜を供与しない者は、1ヶ月以下の懲役あるいは2千バーツの罰金、又はその両方の刑を科せられるものとする。

第51条 第25条、第26条、第27条、第28条、第29条に基づく違反者、あるいは第39条に従わない者は、3年以下の懲役あるいは600万バーツの罰金、又はその両方の刑を科せられるものとし、さらに再犯の場合はその刑が加重されるものとする。

第52条 第30条、第31条に基づく委員会の命令、あるいは第47条に基づく不服審査委員会の決定に従わない者は、1年以上3年以下の懲役あるいは200万バーツ以上600万バーツの罰金、さらに違反継続中の場合は、1日5万バーツ以下の罰金が科せられるものとする。

第53条 事業者が通常秘匿保全している、公開されるべきでない事業あるいは業務に関する事実を、本法に基づく執行から知り得た上でそれらを公開した者は、1年以下の懲役あるいは10万バーツの罰金、又はその両方の刑を科せられるものとする。ただし、公務における公開、あるいは審問又は審判のための公開は除くものとする。
第一段落に基づく者から事実を知り得た者が、その事実を公開し、いずれかの者に損害を及ぼした場合も、同等の罰則を科せられるものとする。

第54条 本法に基づき処罰を受ける違反者が法人である場合、代表取締役、筆頭株主、あるいは本件についての法人の業務に責任を有していた者に対し、その違反内容についての罰則規定を適用するものとする。ただし、本件の行為が、その者の関知しない所で、又は承諾なしで行われたと証明できる場合、あるいはそのような過失が生じないよう防止策が相応に取られていたと証明できる場合は除かれるものとする。

第55条 第51条及び第54条に基づく違反の被害者は、自ら刑事訴訟を起こす権利はないが、本法に基づいて審査するよう委員会に対し訴える権利を有するものとする。

第56条 本法に基づき罰金刑あるいは1年以内の懲役刑を科せられるすべての違反において、委員会は略式命令を下す権限を有するものとする。前述の権限の行使にあたり、委員会は、小委員会、事務局長あるいは担当官にその権限の行使を代行させることが出来るものとする。
容疑者が略式命令に従って期限内に罰金を支払ったとき、その事件は刑事訴訟法に基づき終結したものとみなされる。


附則

第57条 本法が施行された日に、事業者が、必要により第27条(5)(6)(7)(8)(9)あるいは(10)に明記された行為をした場合、その事業者は、本法が施行された日から90日以内に許可申請書を提出しなければならないものとする。さらに、その事業者は、申請書を提出した後、その許可申請の審査結果を受領するまで第27条(5)(6)(7)(8)(9)あるいは(10)に基づく行為を継続して行うことが出来るものとする。


陛下の勅令を拝受して
チュアン・リークパイ
内閣総理大臣



 

 

 

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