S&I出願の留意点
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        S&I 出願の留意点
   タイ特許出願の留意点
   (2011年3月改定)
 
   タイ意匠出願の留意点
   (2009年3月改定)

知的財産権

タイ特許出願するにあたっての留意点

改訂履歴

1999.9.25
2001.8.1改定(主に審査請求以降の手続きについて改定

2009. 3. 3改定(2008年8月パリ条約加盟)変更部分は赤字で記載してあります
2009. 9. 8改訂(優先審査及び早期審査、翻訳費用について)変更部分は緑字で記載してあります。
2009.11. 4改訂(PCT出願について)変更部分は青字で記載してあります。
2011. 3. 3改訂(特許法6条3項について)変更部分は茶字で記載してあります。
2012. 6.16改訂(PCT国内移行手続き及び修正実体審査その他について)変更部分は紫字で記載してあります。

質問1.出願日を確保するための依頼人が準備する必要最小限の情報とは何か。

質問1−1.優先権主張する場合の第一国はどの国でもよいのか。

質問2.出願するにあたり依頼人が準備する必要な書類は


質問2−1出願人から包括委任状が出ていると聞いているが、この場合新たに委任状を作る必要はあるのか。


質問3.出願日以降の手続きは

質問4.日本語明細書は受け付けられるのか。

質問5.優先権主張は無くて、もしどうしても和文で明細書を送らなければならない場合、どの位の時間と費用 がかかるのか。


質問6.委任状に公証人証書が必要だと聞いているが。また、公証人証書は委任状だけ必要なのか。

質問7.委任状は各案件毎にとる必要があるのか。

質問7−1.譲渡証と委任状のサインについて注意すべきことは。


質問8.公証人証書を貰うために会社の代表者が公証役場へ行かなければならず不便であ ると聞いているが。


質問9.出願締め切り日何日前までに弊事務所に書類が到着すれば間に合うのか。


質問10.優先権証明書は翻訳が必要ですか


質問11.弊事務所との連絡手段は。


質問12.会計処理はどのようなタイミングで行うのか。


質問13.出願後方式審査にどの位かかり、公報発行までどの程度かかるのか。また、公報発行手数料が必要と聞くが。


質問13−1.審査請求はどのようになるのか。


質問13−2 審査請求後の手続きは。

質問13−2−1 修正実体審査と言われているが、日本特許庁の報告書を参考にしたいが。

質問13−3 審査請求後、登録までにどのくらい期間がかかるか。

質問14.公報発行したら出願人に通知が行くのか。

質問15.タイ特許法を知りたいが。

質問16.タイの早期審査及び優先審査については、どのようになっているのか。

質問17.2009年12月24日予定のPCT加盟及び日本政府の早期審査でで注意しておきたいことは何か。(タイ特許法6条3項の問題)

質問18.2009年12月24日予定のPCT加盟に伴う手続きや法規則改正についてどうなっているのか。

質問19.PCT国内移行手続きについて翻訳書提出期限と譲渡証提出について注意すべきことは何か。

質問1.出願日を確保するための依頼人が準備する必要最小限の情報とは何か。

回答1.優先権主張する場合、優先権主張番号、優先日、国名、出願人名(和文及び英文)及び住所(和文及び英文)、発明者名(和文及び英文)及び住所(和文及び英文)、英文明細書又は日本語明細書(発明の名称は英文併記してください)です。優先権主張のない出願については英文明細書ではなくタイ語明細書を直接提出することになりますので翻訳期間を十分とらなければなりません。

質問1−1.優先権主張する場合の第一国はどの国でもよいのか

回答1−1.2008年8月にパリ条約加盟となりました。今までWTOに準用されるパリ条約によって優先権主張が認められていましたが、今般、パリ条約加盟により、全てのパリ条約条文が適用されることとなります。優先権主張の実務は今まで通りで変更はありませんので、特段注意することはありません。WTO加盟国またはパリ条約加盟国であればどの国の出願でも優先権主張ができます。優先権期間は特許、実用新案の場合1年間、意匠の場合6ヶ月となります。また、PCT出願でも優先権主張できます。 また、2009年12月24日にPCT条約に加盟しました。PCT出願につきましては質問18を参照してください。

質問2.出願するにあたり依頼人が準備する必要な書類は

回答2.明細書(タイ語又は英語又は日本語、優先権主張のない願書の場合タイ語明細書)、委任状(英語又はタイ語)、譲渡証(英語又はタイ語)、優先権証明書、もし発明者と出願人が同一の場合は出願権証明書(英語又はタイ語)が譲渡証の代わりに必要です。出願日に必要なものは明細書です。残りの書類は出願後90日以内に提出しなければなりません。但し、優先権証明書は優先権主張日より16ヶ月以内かつ公報発行日までに提出しなければなりません。が、弊所ではできるだけ早目(出願後90日以内)に優先権証明書を提出することをお薦めしています。

質問2−1出願人から包括委任状が出ていると聞いているが、この場合新たに委任状を作る必要はあるのか。

回答2−1必要ありません。弊所で用意致します。

質問3.出願日以降の手続きは

回答3.回答2で述べてありますが、90日間の補正期間を有しているのでこの間に、委任状、翻訳明細書等を提出することになります。なお、現在の実務はこの90日間で補充書類が提出されなかった場合、さらに90日間(第2回目期限延長申請)、30日間(第3回目期限延長申請で、これが最終期限となり、以降延長は不可)の補正延長期間を申請できます。この場合、期限前までに延長申請をしなければなりません。

質問4.日本語明細書は受け付けられるのか。

回答4.優先権主張を伴う日本語明細書は受け付けられます。その場合願書面には英語で記載しなければならないため、必要な書誌情報は英語で弊所まで知らせて下さい。

質問5.優先権主張は無くて、もしどうしても和文で明細書を送らなければならない場合、どの位の時間と費用 がかかるのか。

回答5.和文からタイ語へ直接翻訳する場合、1ページ約6000円が目安と考えて下さい。期間は分量にもよりますが、3〜5週間程度みて戴きたいと思います。これも分野によります。また、弊所の翻訳能力からみて、特急料金を請求する場合がありますので、予め余裕(1ヶ月前には)を持って発注してください。

質問6.委任状に公証人証書が必要だと聞いているが。また、公証人証書は委任状だけ必要なのか。

回答6.大使館あるいは商務官あるいは公証役場で本人であることを証明することとなっています。公証役場は日本全国どこでもよく、タイ領事館も大阪、横浜にあり利用できます。また、公証人の印が必要であるのは委任状だけです。公証人の印で英語の翻訳が普通ついていますが、翻訳に誤りがある場合がありますので、十分注意して下さい。また、公証人証書は委任状だけです。譲渡証には必要ありません。

質問7.委任状は各案件毎にとる必要があるのか。

回答7.最近包括委任状を受理できることとなり、委任状を各案件毎 にとらず、オリジナル一通を弊事務所にて保管し、後日の出願はそのコピーで受理されることとなります。

質問7−1.譲渡証と委任状のサインについて注意すべきことは。

回答7−1.譲渡証のサインと案件毎委任状のサインは一致していなければなりません。また、譲渡証と包括委任状のサインは不一致(別人)でも構いません。

質問8.公証人証書を貰うために会社の代表者が公証役場へ行かなければならず不便であ ると聞いているが。

回答8.担当者で構いません。企業の判断によりますが、担当部長あるいは社長の代 理として担当者が行く場合もあります。

質問9.出願締め切り日何日前までに弊事務所に書類が到着すれば間に合うのか。

回答9.優先権主張がある場合、当日午前中までにファックスで送られても出願できます。優先権主張がない場合、翻訳期間を確保しなければならず、3〜5週間程度みて戴きたく思います。
また、送付手段はできるだけクーリエを利用して下さい。DHL,Federal Express、EMS、OCS等主だった会社がバンコクで業務しています。東京からは2日間、東京以外から3日間かかると考えて下さい。さらに、タイでの祝祭日(特に4月中旬のソンクラン等の長期休日)がかかりそうな場合は特に注意し て下さい。

質問10.優先権証明書は翻訳が必要ですか。

回答10.必要ありません。日本語のまま提出して下さい。

質問11.弊事務所との連絡手段は。

回答11.ファックス及び電子メール(siasia@loxinfo.co.th)、あるいは(iguchi@loxinfo.co.th)を適宜ご利用下さい。重要かつ緊急案件はできるだけファックスを利用して下さい。簡単な質問、調査案件につきましては電子メールが便利です。電子メールで暗号化して送る場合はPGPファイルが利用できます。
また、毎月、顧客の方々及び提携事務所に対し事務連絡、実務情報を電子メールにて配布しております。一般経済情報を盛り込んだニュースレター(S&I Bangkok Newsletter)は弊所ホームページに掲載しておりますので、ご高覧ください。

質問12.会計処理はどのようなタイミングで行うのか。

回答12.出願にかかる費用につきましては出願日が確保され次第、請求書を発行致します。中間手続きの場合は、手続き終了後速やかに請求書を発行しております。また、通常の全出願手続きが終了し、タイ翻訳が提出され次第(約3ヵ月後)、控えを作成しお届けしております。

質問13.出願後方式審査にどの位かかり、公報発行までどの程度かかるのか。また、公報発行手数料が必要と聞くが。

回答13.現在、弊所からの出願を見ますと分野によって相当違うようです。特に機械、物理、バイオ関係は遅れています。早いもので出願後6ヵ月で公報発行手数料納付請求がきます。これは、弊所でお支払いし、依頼人の方へ通知致します。発行手数料が納付されてから約3ヵ月で公報発行となり、この発行日が異議申立ての起算日(90日以内)及び審査請求の 起算日(5年以内)となります。

質問13−1.審査請求はどのようになるのか。

回答13−1.審査請求は公開公報発行後、5年以内におこなわなければ無効となります。
また、審査請求は出願時にはできませんのでご注意ください。

質問13−2 審査請求後の手続きは。

回答13−2 審査請求後あるいは審査請求前であっても、出願人は他国での対応出願審査結果を知った日から90日以内にその結果をタイ政府へ通知しなければなりません。現在、この実務は90日という期間制限は事実上ありませんが、速やかに提出することをお薦めします。(回答16も併せてお読みください)

提出する書類は、日本特許出願であれば登録公報、米国出願であれば米国特許登録公報が必要です。政府による証明は必要ありません。また、英文への翻訳も必要ではありません。

まだ、他国の審査結果が出ていない場合は、オーストラリア政府への調査依頼という道もあり、これはタイ政府が窓口となって手数料(費用数万円)を納付すれば数ヶ月でオーストラリア政府の調査結果を得ることができます。さらに、国内審査委託(局告示で指定されている国内機関に審査を委託する)という方法もあり、詳しくはお問い合わせください。



質問13−2−1 修正実体審査と言われているが、日本特許庁の報告書を参考にしたいが

回答13−2−1

平成19年度特許庁委託研究調査等事業の報告書「各国における修正実体審査MSEの調査報告書」(AIPPI・JAPAN作成)の中のタイの部分(P36-38)において、明らかな間違いと、不正確な表現が多く、これを読んだクライアントが誤解をされて実務を進めている事例が出ております。例えば、「審査請求時に、他国の審査結果報告を出す必要がある。」というのは、誤解で、審査請求手続きと、他国の審査結果報告書提出とは、別の手続きであると理解して戴きたいと思います。 ですから、審査請求前に、既に他国の審査結果報告ができるのであれば、直ちに提出する必要があると思います。 また、「審査結果報告書というのは、拒絶理由通知などの中間書類を含む」と誤解されている方も居られますが、中間書類を審査官から新たに求められることもありますが、これはケースバイケースです。 この場合、弊所では特許登録公報の提出をお勧めしており、特許証はクライアントに要求しておりません。 この報告書に書かれてある点につき、細かく指摘はできませんが、疑問点があれば、各特許代理人に現地政府へ直接問い合わせをして戴き、正しい理解の上に実務を進めてください。

 

質問13−3 審査請求後、登録までにどのくらい期間がかかるか。

回答13−3 私どもの経験では、早い例で約2年です。タイ政府の公式見解は2年といっていますが、もっと時間がかかっているのが実情です。

質問14.公報発行したら出願人に通知が行くのか。

回答14.政府からは何も通知はありませんので、弊所がウオッチングして、お客様にお知らせ致します。その折、審査請求をされるかどうかも弊所より問い合わせ致します。

質問15.タイ特許法を知りたいが。

回答15.バンコク日本人商工会議所より「タイの特許法及び著作権法」(元田時男翻訳、井口雅文監修)(1992年法)を出版しました。弊所ではお客様の便宜を図るため1冊3000円(送料込み)で承っています。また、最新の1999年法はこのホームページ内タイ特許法1999年マージ版にあります。また、ジェトロより「模倣対策マニュアル タイ編」などの書籍も出版されておりますので、ご利用ください。


質問16.タイの早期審査及び優先審査については、どのようになっているのか

回答16.

最近、弊所クライアントより問い合わせがあり、弊所で調べた結果、パテント誌2009年4月号Vol.62, No.5 p53-54(日本弁理士会発行)に間違った情報が掲載されている旨、弊所にて確認致しました。なお、本件は、日本特許庁のホームページにも同様な記述がされていることを確認しました。弊所見解は、以下のとおりですので、ご確認ください。

「パテント誌vol.62 no.5 54頁の部分ですが、

(原文)
「(優先審査)特許または意匠登録出願の公開後、第三者が当該特許または意匠登録出願においてクレームされた発明または意匠を出願の同意なく実施していた場合、タイ国特許庁により当該出願は他の出願に優先して審査される。」

(弊所見解)
優先審査という制度は無く、あくまで上申書にて審査を促進することができます。過去の例(弊所の例だけですが)侵害の可能性が高い案件について、特許または意匠で審査を優先して登録を行なうことができました。

(原文)
「(外国審査結果提出に伴う早期審査)特許(意匠については適用されない)の出願人が外国の審査結果に係る書類を提出した場合、タイ国特許庁において当該出願は他の出願に優先して審査される。」

(弊所見解)
外国審査結果の提出は、特許法及び規則上、義務規定であり、審査結果を提出しない場合には、みなし取り下げとされます。(特許法第27条、及び省令22部第13条) 
また、法規則では意匠には準用されており、意匠の場合も同様提出しなければならないと考えます。但し、この運用は、緩やかに運用されており、例えば「90日以内」という期限は、実際上無視されております。また、意匠でも提出は任意であると政府見解で述べています。しかしながら、審査結果提出は義務規定であるため、権利行使や裁判まで考えるのであれば、必ずこの規定を遵守されることをお勧め致します。

参考までに関連条文を以下、掲げます。

「第27条 出願人の審査に当たり、担当官は出願人を説明のため出頭させること、又は文献その他追加資料を出させることができる。

出願人が外国においてすでに出願済みであるとき、出願人は省令の定める規則、手続きにより出願した発明の審査結果又は詳細を提出しなければならない。

外国語による書類を提出しなければならないとき、出願人はタイ語の翻訳を付して提出しなければならない。

出願人が90日以内に第1項の担当官の命令に従わないとき、又は、第2項の書類を90日以内に提出しないとき、出願を放棄したものとみなす。ただし、局長が適当と認めた期間期限を延長したときを除く。」


(以下は、省令第22部の第13項(条))

「第13 特許出願人が、タイ国外で一つの発明に関する特許出願を行ない、その特許出願人が外国から審査結果に関する報告あるいは書類を受領した時、その者は、その報告あるいは書類を受領した日から数えて90日以内に、担当官に対してタイ語に翻訳された書類と共に、前述の報告及び書類を送付しなければならない。
特許出願人が、複数の外国で一つの発明に関する特許出願をした場合、その者は、最初に出願した外国あるいは局長が指定したいずれかの外国の審査結果報告書あるいは書類を送付しなければならない。
審査報告書あるいは書類には、それらの書類を公布した特許庁名、特許出願人名、特許出願日、外国間の発明分類記号、審査する専門分野、及び審査に関連し、かつ必要な書類を明記しなければならない。その他に、その特許出願発明が、その外国が規定した法律の条件に依拠しているか否か、また発明の詳細が、その外国の法律が規定している内容に依拠しているか否か、さらに、必要又は不必要な特許請求範囲が前述の
外国の特許法に基づく保護を受けているかどうかを、検討した理由と共に明記しなければならない。
第一段落及び第二段落に基づく書類の提出においては、担当官に対し提出するか、あるいは以下のいずれかの場所の担当官に書留郵便で送らなければならない。
  (1)商務省知的財産局
  (2)局長が指定した県付属商務局あるいはその他の機関
第三段落に基づく外国からの審査結果に関する報告書あるいは書類が不完全であり、かつ出願人からの申し出があった場合、局長は、前述の審査に関する報告書あるいは書類の送付期限を延長することができる。」


質問17.2009年12月24日のPCT加盟及び日本政府の早期審査でで注意しておきたいことは何か。(タイ特許法6条3項の問題)

回答17 2009年12月24日にPCT加盟を予定しております。また、日本政府が実行しておりますスーパー早期審査や通常の早期審査によって、タイ出願前に他国で登録された場合、タイ特許法第6条3項により、拒絶を受ける可能性がありますので、注意してください。

従いまして、PCT加盟後PCT出願が約30ヶ月後に国内段階に入りますが、優先権主張日の取り扱いが、他国と違い、タイ特許法第6条3項の言う「出願日」は実際の出願日を示しているとのタイ政府見解です。この点について、現在タイ政府と米国出願人との間で、審判事件が発生し、
2010年3月に審決を得、6条3項の言う「出願日」は、優先権主張日となりうるとの解釈がなされました。現在、この審決は上訴期間を過ぎておりますので、確定となっております。 しかしながら、未だ実務に反映されるかどうか定かではありません。また、タイ政府内部には、強硬意見もありますので、十分ご注意ください。もし、PCT出願を優先権主張を伴って日本政府に出願される場合、国内移行時に、他国(例えば台湾で特許登録となっていた場合)での特許登録が特許審査に影響を与える可能性があります。ご注意ください。

(参考)

第6条 発明が従来技術でない場合、その発明は新規である。
   従来技術とは次の発明をいう。

(1)出願前に国内で広く知られ又は使用されている発明(2)国内外において出願前に頒布された文献又は印刷物にその重要な部分又は詳細が公開されている発明及びその公開が文献、印刷物で行われているか否かに関係なく公衆に展示又は発表されている発明(3)出願前に国内外において特許権あるいは小特許権を得ている発明; (4)出願前18ヶ月以上前に外国で特許あるいは小特許出願され、該外国出願が特許あるいは小特許登録されていない発明; 特許を出願する12ヶ月前に、その発明者が国際商品展示会あるいは公的機関の商品展示会で、法律に基づかない行為による重要部分あるいは詳細の公開、又は前述の発明の展示を行った場合、(2)に基づく重要部分あるいは詳細の公開とはみなさない。


質問18.2009年12月24日予定のPCT加盟に伴う手続きや法規則改正についてどうなっているのか

回答18 以下、質問及び回答を纏めてみました。2009年11月時点で、タイ政府は、特許法規則改正案を準備しており、それによりPCT出願を処理する予定ですが、その規則案を解釈しながら、以下のように回答を想定しました。

0.出願についての質問

0−1.12月24日以降にPCT出願できるのは、24日を含むのかどうか。


(回答)12月24日を含みます。

0−2.その際、優先権主張日が2009年12月24日以降なのか。(私の解釈:2008年12月24日以降の優先権主張日のPCT出願が受け付けられるはず)

(回答)2008年12月24日以降の優先権主張を伴うPCT出願が受け付けられます。

0−3.PCT出願日は、タイ出願日とタイ特許法上解釈されるかどうか。(PCT第64条(留保)宣言をタイ政府はどのようにするのかどうか)

(回答)PCT出願日は、タイ出願日となります。また、PCT第64条の留保宣言を現在の処、加盟時に第64条(5)のみを宣言しています。従いましてPCT第11条の規定とおり、PCT出願日はタイ出願日となります。ちなみにマレーシアではPCT第64条(5)のみを留保宣言しています。但し、留保宣言は、いつでも行なえるとされていますので、今後の推移を注目しなければなりません。

0−4.2009年既に日本出願及びタイ出願を行なっているが、今年12月24日以降に国内優先権主張をして、PCT出願をした場合、2つの同一出願が並行してタイ出願となるが、この場合の並存はあり得るのか。

(回答)並存はありうると考えられます。


1.国内移行時に関する質問

1−1.翻訳文を提出する期間は、国内移行日から90日(タイ特許規則条(2)と同様)になるのでしょうか?

(回答) 違います。規則22項によると、国内段階移行日にタイ語翻訳提出となります。この点は、2009年11月時点でのタイ政府見解と、2010年2月時点でのタイ政府見解が異なります。国内移行段階を準備される場合、再度確認する必要があります。

1−2.国際段階で行った19条補正や34条補正の補正書は何時提出すればよいのでしょうか?

(回答)通常のPCT出願と同様です。

1−3.PCT出願の場合、新規性喪失例外とするには、何時行えばいいのでしょうか?

(回答)特許法第6条の新規性喪失例外規定の質問と思いますが、国内段階に行なえば足りると思います。

1−4.既にPCT出願をして、これから国内段階移行となるが、タイを追加指定してタイへの国 内段階移行は可能か。

(回答)不可能です。PCT出願が2009年12月24日以降であれば、タイへの国内移行は可能(出願時にタイが指定国に含まれていますので)ですが、それ以前のPCT出願は、出願時にタイは未加盟でしたので、追加指定することはできません

1−5.PCT国内移行時に出願時必要な書類は何か。

(回答)
必要書類及び情報:


1)       必要書類:

     出願願書(PI/PPI/0001-A(PCT)フォーム)→出願願書は弊所にて作成し、また出願願書の署名欄は弊所にて署名致します。

     タイ語翻訳明細書

     委任状についての記載内容は、今まで貴所宛にお送りしていた委任状フォームと同様で、出願人代表権者により署名後、公証手続きが必要です。
   また、既に包括委任状を提出している場合、包括委任状が利用できます。詳細は弊所までご連絡ください。

     譲渡証(出願人名が異なる場合に必要。公証手続きは必要ございません)→フォームは、出願人情報について貴所からご連絡頂いた後、弊所にてフォームを作成し貴所に送付致します。

尚、優先権証明書の提出の必要はございません

2)       書類提出期限:

委任状、(提出が必要な場合)譲渡証を除く、上記のすべての書類は最初の出願日から30ヶ月以内に提出されなければなりません。尚、明細書については、弊所で上記の期限までにタイ語への翻訳作業を行いますので、上記の締切日の遅くとも2-3ヶ月前には弊所まで明細書をご送付下さい。
また、委任状、(提出が必要な場合)譲渡証のタイ政府提出期限は従来の特許出願手続きと同様、提出期限の延長が可能です。詳細は弊所までご連絡ください。

(3)    譲渡証提出についての弊所見解

タイ政府知的財産局の発表(2010年7月時点)では、PCT国内段階での譲渡証提出は不要という見解です。

現行の非PCT出願では、譲渡証提出が必要です。これは特許法第10条(特許出願の権利の譲渡は書面によるとだけ規定されています)と、それに基づく審査便覧(審査官の審査対象物に、譲渡証が入る)によるものと理解されております。

しかしながら、今回、PCT国内移行出願の譲渡証提出不要という政府見解となり、PCT国内段階の出願と、非PCT出願とでは、違った運用となります。その点、ご注意ください。そこで、弊所としては、PCT国内移行出願については、上記政府見解とは若干異なりますが、譲渡証が確実に必要な場合(例えば、PCT出願時の出願人と国内移行時の出願人が異なる場合)には、提出が必要(恐らく未提出であれば、審査官から指令が来るものと思われます)であると理解し、クライアントの皆様にお伝えしております。恐らく他の法律事務所との間に、この点において見解が若干分かれる可能性がありますことをご了承ください。


2.公開に関する質問

2−1.PCT出願は、タイ国内で再公表されるのでしょうか?

(回答)タイはPCT64条の留保において、(5)のみを現在宣言しているため、国際公開は受け入れるとされています。また、タイの特許法規則案では、国際公開が公開に置き換わるとする規定はなく、それ故、国内での再公表が行なわれることになります。


3.審査請求に関する質問

3−1.PCT出願の場合、審査請求期限日は何時になるのでしょうか?(タイ特許法29条)

(回答)審査請求日の起算日は国内公開日(再公表日)となります。審査請求は国内公開後5年以内となります。


4.審査に関する質問

4−1.国際出願日はタイ特許法の特許出願日として扱われますか?(タイ特許法6条、17条など)

(回答)PCT第11条により、国際出願日はタイ特許出願日となります。また、PCT第64条での留保宣言について、タイは、この点宣言していないため、国際出願日がタイ出願日と解釈されます。しかしながら、タイ特許法第6条での出願日は解釈が分かれます。

4−2.国内移行したタイ語の明細書の誤訳訂正を行なうさいに、国際出願日に提出した明細書等を根拠にできるのでしょうか?

(回答)現行実務を想定すると、できると思います。

4−3.PCT出願の場合、対応する外国特許出願の審査報告書提出に関するタイ特許法27条は適用されるのでしょうか?

(回答)国際調査報告書や国際予備審査報告書が、タイ特許法第27条の「審査結果報告書」に該当するかどうかですが、規則案には触れられていないため、現行とおり、対応する他国の特許出願審査結果報告書の提出は、義務規定として残ります。国際調査報告書や国際予備審査報告書は、審査の参考として審査資料となるだけだと思います。

4−4.国際調査報告書、国際予備審査報告書、及び、サーチレポートの見解書のタイ語への翻訳文の提出は必要ないと思いますが正しいでしょうか?

(回答)審査官が必要とする場合、審査官指示をもって翻訳文の提出はなされると思います。

4−5.国際調査において調査対象とされなかったクレームは、国内移行した場合、タイ国内で取り下げられないという理解でよろしいでしょうか?

(回答)取り下げとはならないと解釈できます。


5.特許権に関する質問

5−1.PCT出願の場合は、タイ特許法35条の2に関する権利(補償金請求権)は何時から発生するのですか?

(回答)補償金請求権は現行法とおり、国内で公開された時点から発生すると解釈できます。

質問19.PCT国内移行手続きについて翻訳書提出期限と譲渡証提出について注意すべきことは何か。

回答19 

(翻訳書提出期限について)
弊所が掴んだ情報によりますと、他の法律事務所から「国内移行日に翻訳を提出せずに、提出期限を延長できる」旨の誤った情報がクライアントに流れている模様です。この方法は、国内移行日に明細書の主要部のみ(たとえばクレームだけ)を翻訳し、後日、補正書の形で、明細書の全翻訳を提出するというもので、出願人にとって、後日問題となる可能性が多々あり、全くお薦めできません。 ご注意の程、宜しくお願い申し上げます。 必ず規則通りに、国内移行日にタイ語翻訳提出をお願い致します。名の通った法律事務所では決してこのような実務を行っていないと思います。 

なお、この件についてAIPPI日本部会の2011年12月度活動報告において、AIPPI・JAPANセミナー「ASEAN地域における知的財産制度及び権利行使の現状について」で講師がタイの部分で紹介したとの記事が掲載されております。 講師の発言内容は不適切であり、出願人をミスリーディングするものだと弊所は判断しております。 ご注意の程、お願い申し上げます。

(譲渡証提出について)
タイ政府からのオフィシャルアクションで、国際段階及び国内段階の出願人が同一にも関わらず、譲渡証提出をタイの代理人事務所から要求された という苦情がクライアントから寄せられています。 この件について、タイ政府に再度確認をした処、以前からのタイ政府見解は、不変であることを確認致しました。これについての弊所見解は、以下のとおりです。

(弊所ホームページhttp://www.s-i-asia.com/web_japan/intellectual_thailand_jp.php#18 より)

「譲渡証提出についての弊所見解

タイ政府知的財産局の発表(2010年7月時点)では、PCT国内移行段階での譲渡証提出は不要という見解です。

現行の非PCT出願では、譲渡証提出が必要です。これは特許法第10条(特許出願の権利の譲渡は書面によるとだけ規定されています)と、それに基づく審査便覧(審査官の審査対象物に、譲渡証が入る)によるものと理解されております。

しかしながら、今回、PCT国内移行出願の譲渡証提出不要という政府見解となり、PCT国内段階の出願と、非PCT出願とでは、違った運用となります。その点、ご注意ください。そこで、弊所としては、PCT国内移行出願については、上記政府見解とは若干異なりますが、譲渡証が確実に必要な場合(例えば、PCT出願時の出願人と国内移行時の出願人が異なる場合)には、提出が必要(恐らく未提出であれば、審査官から指令が来るものと思われます)であると理解し、クライアントの皆様にお伝えしております。恐らく他の法律事務所との間に、この点において見解が若干分かれる可能性がありますことをご了承ください。」 

もし、他の代理人事務所の取り扱い案件で、譲渡証についての提出要請を受け取りましたら、是非、一度、再度タイ政府に確認するよう代理人事務所の方へ指示願います。 また、PCT国内移行手続きについては、現在、タイ政府にて、手引書を作成している段階で、近々公表する予定と聞いておりますので、もし情報を入手しましたら、皆様方へ改めてご案内致します。



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