1999年タイ国種苗法
訳:清水浩子
監修:井口雅文
ここに種苗法(植物品種保護法)を制定する。
本法にある個人の権利及び自由の制限に関する規定は、タイ国憲法第29条、第48条、第50条の法の規定に依拠するものとする。
第1条 本法は「1999年 種苗法」と称する。
第2条 本法は官報告示後発効する。
第3条 本法において、
「植物」とは、植物界において生命を有するもので、せんたい類や多細胞の藻類の意味を含み、他の微生物の意味までは含まないものをいう。
「植物品種」とは、遺伝し、かつ植物学に基づく特徴が同一あるいは類似している植物群のことで、均一性、安定性のある独自の特質を持ち、かつ同一植物の他の種と違いがあり、かつ前述の初めの特質を持つ植物群が得られるように種を繁殖させる原品種をも意味する。
「地域固有植物品種」とは、タイ国の特定の地域だけに生息し、かつ植物新品種として登録されたことのない植物品種のことで、本法に基づいて「地域固有植物品種」として登録されたものをいう。
「野生植物品種」とは、自然状態にしたがってタイ国内に生息あるいは生息していたことのある植物品種のことであり、かつまた広範囲に栽培されたことのないものをいう。
「地域一般植物品種」とは、タイ国内で発生した、あるいはタイ国内に生息している植物品種で、広範囲に利用されており、かつ植物新品種、地域固有植物品種、野生植物品種ではない植物品種の意味までも含む。
「遺伝物質」とは、生命体の特別な性質を規定する役割を持つ化学物質のことであり、自らを複写し次の世代に伝達する上での原形となることの出来る化学物質のことをいう。
「遺伝子の組み換え」とは、天然遺伝子、天然変形遺伝子、あるいは合成遺伝子のような生命体から生じた元の遺伝子を、植物の元の遺伝子と恒久的に寄せ集め、あるいは合成することにより、自然に基づいて今までに現れたことのない特質を持つようにする方法のことをいう。
「遺伝上の状態」とは、生命体のそれぞれの特徴が環境状態と組み合わさり、外形が規定された遺伝情報の集合体をいう。
「繁殖種」とは、植物、あるいは植物の一部分で、農業の通常の方法によって新たに植物を作ることの可能なものをいう。
「植物品種改良者」とは、品種改良をする者、あるいは新品種を得られるまでに品種開発をする者のことをいう。
「共同体」とは、定住し、かつ文化体系を共同して継承してきた国民の集団を言い、かつ本法に基づいて登録されたものをいう。
「委員会」とは、植物品種管理委員会を意味する。
「担当官」とは、本法に基づいて活動すべく大臣から任命された者のことを言う。
「局長」とは、農業技術局の長のことを言う。「大臣」とは、本法に基づいて任にあたる大臣のことを言う。
第4条 農業・共同組合省大臣は、本法に基づき任にあたり、かつ担当官を任命し、本法の末尾に記載されている料金表の規定を超えない省令を制定し、その他の任務を規定し、かつ本法に基づく活動のための告示を発布する権限を有する。
省令及び告示は、官報告示後発効する。
第5条 植物品種管理委員会は、農務副大臣を委員会の長とし、消費者管理委員会事務局長、国内商業局局長、知的財産局局長、漁業局局長、森林局局長、農業推進局局長、国立品種技術及び生命技術センターの責任者、タイ国医学研究所の責任者、植物公園団体の責任者、及び大臣が任命した12人の有識者からなる委員から構成される。前述の有識者は農業従事者6人、教育研究所からの植物品種改良部門の専門家1人、教育研究所からの天然資源保護部門の専門家1人、農業及び天然資源保護活動に関わる、利益目的でない民間開発組織の代表者2人、植物品種あるいは種子の改良及び繁殖についての目的を持つ団体の代表者2人から構成され、さらに農業研究局局長を委員兼書記長とする。
有識者である農業従事者は、植物品種の保護に関わる経験を持つ者、あるいは植物品種を利用している者であり、農業従事者の集団、団体、農業組合、あるいは全地域の農業共同組合で提出された名前の中から選出され、また委員は一地方あたりにつき少なくとも1人の委員が選出されるものとする。
第1項に基づく、農業及び天然資源保護活動に関わる、利益目的でない民間開発組織からの有識者は、前述の民間開発組織により提出された名簿から選出されるものとする。
有識者の選出は、省令に規定された規則及び方法に従う。
第6条 委員会は以下の権限を有する。
(1) 本法に基づく省令及び公示の公布における大臣への上申
(2) 第25条、第26条に基づく局長の撤回命令に対する調査及び審判
(3) 本法に基づく活動に関して、大臣に対し見解や助言を与えること
(4) 地域固有植物品種、地域一般植物品種、野生植物品種、あるいは前述の植物品種のいずれか一つの植物品種の研究、実験、調査、改良及び開発に関する規程の制定
(5) 植物品種保護資金の運営に関する規程の制定
(6) 国家公務員あるいは係員に対する特別報酬を授与することについての規則及び手続きの規定
(7) 生命および環境の安全への影響を立証、推定する責務を有する団体あるいは研究所の指定
(8) 委員会の責務として本法が規定しているその他の活動
第7条 有識者の委員の任期は1期あたり2年とする。
委員の地位を辞任した者は再任されることができるが、2期を超えて地位を保持することはできない。
第8条 第7条の任期に基づく辞任の他に、委員は以下の場合に地位を失うものとする。
(1)死亡
(2)辞職
(3)破産人である場合
(4)禁治産者あるいは準禁治産者である場合
(5)最高裁判決において禁錮刑の判決を受けた者で、不注意による過失罪、あるいは軽犯罪である場合を除く。
有識者の委員が任期満了前に辞任した場合、内閣は第5条に基づいて代理の委員を選出するものとするが、有識者の残りの任期が90日に満たない場合は、選出しなくともよい。さらに、代理の委員として選出された者の任期は、前任者の残りの任期と等しくなければならない。
第9条 委員会会議は、定足数として全委員総数の半分以上の出席を必要とする。もし委員会の議長が、会議に出席していない場合、あるいはその責務を果たすことができない場合、会議に出席している委員の中の1人を、委員長の代理として選出しなければならない。
会議の決定は多数決とし、委員は1人1票を投票しなければならない。もし、同数票であった場合、会議の議長が決定票として1票を追加しなければならない。
直接的間接的に関わらず、ある議員が利害関係人である事柄の場合、その議員はその会議に参加することはできない。
第10条 本法に基づく責務遂行において、委員会は、委員会が委任できる活動に応じて、小委員会を設置する権限を有する。
第1項に基づく小委員会は、委員会の委任に基づいて権限を持ち、小委員会の会議には第9条が準用されなければならない。
第11条 本法に基づく植物品種は、以下の特徴から構成されなければならない。
(1)その植物品種に特有の遺伝が現れるために、種に、形状学上・生理学上において均一な特徴、あるいはその他の特徴が存在すること
(2)その品種にとって一般的な方法で繁殖種を生産したときに、その種が、毎回定期的な特徴を現すことの出来る安定性を持っていること
(3)他の品種と異なる遺伝が現れるために、種に、他の品種と明白に区別される特徴が形状学上・生理学上で存在すること、あるいは形状学上・生理学上のいずれか一つに存在すること
第12条 本法に基づく、出願できる植物新品種の品種は、以下の項目から構成されなければならない。
(1)出願日から1年以上前に、国内外において、販売様式に関わらず品種改良者あるいは品種改良者の許可による繁殖種の利用がなかった植物品種。
(2)出願日に明らかになったその他の植物品種と区別性があり、その区別性は、栽培、調剤法、生産あるいは加工に役立つ特徴と関連があること。さらに、以下の植物品種との区別性があることをも含むものとする。@ 出願日よりも前に、国内外において、すでに保護登録を受けている植物品種A 国内ですでに出願された植物品種で、その後登録された植物品種
第13条 国民の環境、健康、あるいは安全に対して、直接的あるいは間接的に強い影響を与える植物品種は、本法に基づいて登録されない。
遺伝子の組み換えによって作られた植物新品種は、農業技術局、あるいは省令に規定された規則および手続きに従って委員会が規定した団体あるいは公共施設からの、国民の環境、健康、あるいは平安に対する安全面での基準に合格するまで、植物新品種として登録される事は出来ない。
第14条 大臣は、委員会の意見を得て、保護を受けられる植物新品種となる植物及び国の平安にとって重要性のある植物を規定し、官報を告示する権限を有する。
第15条 植物新品種を出願する者は、植物品種改良者であり、かつ以下の特徴のいずれか一つを有しなければならない。
(1)タイ国籍を有する者、あるいはタイ国に本社のある法人
(2)その者の属する国が、タイ国籍を有する者あるいはタイ国に本社のある法人に対して保護を認めている外国の国籍を有する者
(3)その者の属する国が、タイ国が締約している植物品種の保護に関する国家間協定あるいは合意の同盟国である場合
(4)タイ国に住所を有する者、あるいはタイ国で工業あるいは商業を営んでいる者。あるいはその者が住所を有する国が、タイ国が締約している植物品種の保護に関する国際間協定あるいは合意の同盟国である場合。あるいはその者が住所を有する国が、タイ国が締約している植物品種の保護に関する協定あるいは合意の同盟国であり、かつその者がその国で工業あるいは商業を営んでいる場合。
第16条 従業者あるいは被雇用者が、雇用契約に基づく労働、あるいは新品種を改良するという目的で労働することによって植物新品種を改良した場合、植物品種の改良に関する植物新品種の保護請求権利は、使用者あるいは雇用人にあるものとするが、雇用契約が別に表記している場合は除く。この場合、植物新品種の登録において、使用者あるいは雇用人は、第15条の(1)(2)(3)あるいは(4)に基づく特徴を有しなければならない。
国の係官が責務に基づいて植物新品種を改良した場合、品種改良に関する植物新品種の保護請求権利は、その係官の所属する政府機関にあるものとする。
雇主、雇用主、あるいは国の公務員の所属する政府機関が植物新品種の改良から利益を得た場合、被雇用者、従業者、あるいは国の公務員は、通常の賃金あるいは月給を超える特別報酬を受領するものとする。
第3項に基づく特別報酬は、委員会が規定した規則および方式に従わなければならない。
第17条 複数が品種改良を行ったり、あるいは共同で植物新品種の改良を行った場合、前述の者らは植物新品種の共同出願権利を有する。
品種改良者らの中で、共同出願を認めない者がいた場合、あるいは連絡が取れない者がいた場合、あるいは第15条に基づく特徴に欠けている者がいた場合、他の品種改良者らは、自らの名において、共同で改良した植物新品種に関する共同出願をすることができる。
共同品種改良者の中で、共同出願に加わっていない者は、植物新品種の登録を示す重要書類が出願される前であれば、共同品種改良者として加入することが出来る。出願書を受理した後、担当官は、共同出願人らに出願権があるかどうかについての真偽を審査しなければならない。この場合において、担当官は、審査日を規定し、さらに出願人及び共同出願人に対して出願書のコピーを送付しなければならない。
第3項に基づく審査において、担当官は、出願人及び共同出願人を召喚して指示を与えたり、あるいは検討を加えるための証拠書類を送付するよう命じることが出来る。担当官は、審査手続き終了後、局長に対して意見を提出しなければならない。局長は、審査後、出願人及び共同出願人に対してその審査書類結果を通知しなければならない。
第18条 複数の品種改良者が、共同せずに同一の植物品種の品種改良や植物新品種の開発をそれぞれ行った場合、先に植物新品種を出願した者が、権利を有する。
第1項に基づく植物新品種の出願が同一日になされた場合、出願人らは、どの者を唯一の権利者とするのか、あるいは共同権利を持つことにするのかについて合意しなければならない。もし、局長の規定した期限内に合意することができない場合、両者は、局長の規定した期限の最終日から数えて90日以内に、本件を裁判所に訴訟提起しなければならない。もし、前述の期限内に、両者が裁判所に訴訟提起しない場合、前述の者は、植物新品種の出願を放棄したものとみなす。
第19条 植物新品種の出願は、省令で規定する規則及び方式に従わなければならない。
出願書には、以下の項目が記載されるものとする。
(1)植物新品種名、及び植物新品種の重要な特徴に関する明細書
(2)品種改良、あるいは新品種の開発に関係する品種改良者の名
(3)植物新品種の入手源の詳細な説明、あるいは、品種改良あるいは植物新品種の開発に使用した遺伝物質の詳細な説明で、その品種改良の工程が明確に理解できる程度の詳細な説明であること
(4)出願した植物新品種の繁殖種と、(3)に基づく品種改良あるいは植物新品種の開発に使用した遺伝物質を審査に使用するため、担当官が規定した期日に従って担当官に委託することが記載された証明書
(5)商業目的で、地域一般植物品種、野生植物品種あるいは前述の植物品種の一部分を品種改良に使用した場合に、利益分配する合意があること
(6)省令の規定に基づくその他の項目
第20条 国外で植物新品種の出願をした者が、もし国外で最初に出願した日から数えて1年以内にタイ国でその植物新品種の出願をするとき、最初に出願した国及び出願人の属する国が、タイ国籍を有する者に対して同様の権利を与えている外国である場合、その者は、国外で最初に出願した日をタイ国での出願日として主張することが出来る。 担当官は、第1項に基づく出願人に対し、外国で出願された植物新品種の、タイ語に訳された出願書のコピーあるいはその他の物証を、規定された期日内で多くとも90日以内に担当官に送付させることができる。
第21条 植物新品種の出願審査において、担当官は以下の通り審査しなければならない。
(1) 第19条に基づいて正しく出願されていること
(2) 第11条に基づく植物品種の特徴、あるいは第12条に基づく特徴のある植物新品種である場合、第13条第1項に基づいて出願を禁じる必要はないが、
第13条第2項に基づく基準に合格していなければならない。
この場合においては、省令の規定する規則及び方式に従わなければならない。
その植物品種の審査に費用がかかる場合、植物新品種の出願人は、実際にかかった費用と同等の金額を、担当官からの通知を受領した日から数えて60日以内に、担当官に対して支払わなければならない。もし、その出願人が、規定された期日以内に費用を支払わなかった場合は、その出願を放棄したものとみなす。
第22条 担当官は、第21条に基づいて審査した後、局長に対して審査報告書を提出しなければならない。
局長は、第1項に基づく担当官の審査報告書を審査した結果、植物新品種の出願が第19条に基づいていると判断した場合、報告書を受領した日から数えて30日以内に、前述の出願の公告命令をしなければならない。さらに、出願人は、公告にかかる費用を、省令に規定する規則及び方式に従って支払わなければならない。
第23条 出願人よりも植物新品種のより良い権利者であると主張する者、あるいは植物新品種の出願が第12条、第13条、第15条、第16条、第20条にそぐわないと主張する者は、第22条に基づき公告があった日から数えて90日以内に、担当官に対し異議申立てをすることができる。
第1項に基づいて担当官が異議申立て書を受理した場合、担当官はその植物新品種の出願人に、その異議申立て書のコピーを送付し、さらにその出願人に対し、前述のコピーを受領した日から数えて90日以内に異議答弁書を提出するよう命じなければならない。もし出願人が、前述の期日以内に異議答弁書を提出しない場合、その出願は放棄されたものとみなす。
異議申立て書及び異議答弁書は、物証とともに提出されなければならない。
第24条 異議申立て書及び異議答弁書の審査において、異議申立て人あるいは異議答弁人は、証人を呼んで追加の説明あるいは供述をさせることができる。この場合は、局長の規定する規則に従うものとする。
局長は、異議申立て書及び異議答弁書を受理した日から数えて60日以内に、第1項に基づく異議申立て書及び異議答弁書の審査を終了させなければならない。
第25条 局長は、異議申立て人の方が出願人よりもより良い権利者であると判断した場合、その植物新品種の出願の撤回を命じなければならない。植物新品種の出願人は、局長からの撤回命令を受領した日から数えて90日以内に、委員会に対して局長の撤回命令に対する審判請求をすることができる。
出願人が局長の撤回命令に対して審判請求をしなかった場合、あるいは審判請求をしたが委員会の決定が局長の撤回命令を支持するものであった場合で、もし異議申立て人が局長の命令あるいは委員会の判決を受領した日から数えて180日以内に出願した場合、異議申立て人は、出願人の出願日と同一の日に出願をしたものとし、さらに出願人の出願公告を、異議申立て人の出願公告とみなす。
第26条 局長は、異議申立て人が植物新品種の権利者ではないと判断した場合、その異議申立てを撤回する命令を出さなければならない。
異議申立て人は、局長の撤回命令を受領した日から数えて90日以内に、委員会に対し、局長の命令に対する審判請求をすることができる。
委員会は、審判請求を受理した日から数えて90日以内に、審判請求に対する決定をしなければならない。
第27条 委員会が第25条あるいは第26条に基づいて決定した場合で、もし植物新品種の出願人あるいは異議申立て人が委員会の決定に同意しなかった場合、前述の者は、その決定の通知を受領した日から数えて60日以内に、裁判所に訴訟提起することができる。もし、前述の期日以内に訴訟提起しなかった場合、委員会の決定を最終とする。裁判所が、最終的に異議申立て人が植物新品種の権利者であると判決した場合、第25条第2項が準用されなければならない。
第28条 もし植物新品種の出願が、第12条、第13条、第15条、第16条、第19条、あるいは第20条に反していることが明白な場合、局長は、その出願の撤回命令をし、さらに、第23条に基づく異議申立てがあった場合、担当官は、出願人及び異議申立て人に対して、その撤回命令を通知しなければならない。
もし植物新品種の出願撤回命令が第22条に基づく出願公告の後になされる場合、第22条の内容が準用され、その出願の公告撤回命令が公告されなければならない。
第29条 局長は、担当官の審査結果報告書及び出願の手続きについて全面的に審査した後、植物新品種の登録に差し支えがないと判断した場合、登録命令を出さなければならない。
植物新品種の出願人は、登録命令の通知を受領した日から数えて60日以内に、植物新品種の登録証の交付にかかる手数料を支払わなければならない。もし出願人が、規定の期日以内に手数料を支払わない場合、その登録は放棄されたものとみなす。
植物新品種の出願人が、第2項に基づいて手数料を支払った場合、担当官は、植物新品種の登録をし、さらに、手数料を受理した日から数えて7日以内に、その出願人に対し、植物新品種の登録証を交付するものとする。
植物新品種の登録証は、省令で規定された形式に基づかなければならない。
第30条 局長は、本法に基づいて登録された植物新品種の名前を官報に公示するものとする。
第31条 植物新品種の登録証の期限は以下の通りとする。
(1) 2年を超えない期間内で繁殖種から栽培された後、一定の特徴に基づく生産物をもたらす植物に対しては、期限を12年とする。
(2) 2年を超える期間内で繁殖種から栽培された後、一定の特徴に基づく生産物をもたらす植物に対しては、期限を17年とする。
(3) 2年を超える期間内で繁殖種から栽培された後、一定の特徴に基づく生産物をもたらす木質を利用している植物に対しては、期限を27年とする。
第1項に基づく植物新品種の登録証の期限は、植物新品種の登録証が交付された日から数えられなければならない。
第32条 植物新品種の登録証を受領した者は、その植物新品種の権利者とみなす。
植物新品種の権利者は、他人に自らの植物新品種に関する権利を許可、あるいは譲渡することができる。
複数が共同権利者である場合、他人にその権利を譲渡、あるいは権利使用を許可することが出来るが、権利者全員の同意がなければならない。
第2項に基づく、他人への権利譲渡あるいは権利使用の許可は、省令に規定された規則、方式及び条件に基づき、担当官に対し、文書にて登録されなければならない。
第33条 植物新品種の権利者は、植物新品種の繁殖種の生産、販売、輸入、輸出、あるいは前述の行為のいずれかの行為のための所有についての排他的な権利を有する。第1項の内容は、以下の場合においては適用を受けない。
(1)繁殖種として使用する目的のない、保護を受けている植物新品種に関する行為
(2)植物品種の改良あるいは開発のために保護を受けている植物新品種に関する研究、実験あるいは分析
(3)保護を受けている植物新品種に関する正当な行為
(4)農業従事者が生産者として繁殖種を使用することによって、保護を受けている植物新品種に関する品種を栽培あるいは繁殖させること。しかし、大臣が、委員会の同意を得て、その植物新品種の品種改良を促進すべきであると公示した場合、農業従事者は、今までの生産量の3倍を超えない量において、その品種の栽培あるいは繁殖をすることが出来る。
(5)保護を受けている植物新品種に関する商業目的でない行為
(6)権利者あるいは権利者の許可を得て市場に出された、保護を受けている植物新品種の繁殖種の販売、輸入、輸出、あるいは前述のいずれかの行為のための所有。
第34条 植物新品種の繁殖種における如何なる販売においても、植物新品種の権利者は、植物新品種の繁殖種を表す標章を、容器あるいは包装品に表示しなければならない。
第1項に基づく標章は、局長の規定する方式に従わなければならない。
第35条 相続物としての植物新品種の権利譲渡の受領に関する登録は、省令に規定する規則及び方法に従わなければならない。
第36条 病気予防や健康増進、国民の安全性保持、環境及び生命体の保護、あるいはその他の公共の利益のため、大臣は委員会の同意を得て、告示で規定された期間において、植物新品種の生産、あらゆる様式の販売、輸入、輸出を禁じることが出来る。
食品面での安定性の維持や商業面での独占防止における国の安定を保つため、あるいはその他の公共の利益のため、大臣は、委員会の同意を得て、公衆が植物新品種の権利者に対して相応な報償金を支払うことによって第33条第1項に基づく行為を行うことを許可する告示を出す権限を有する。前述の告示では、行為を許可するにあたっての期限と報償金の比率の指定がされなければならない。
第2項の内容に基づいて手続きが行われた後、第2項に基づく諸事情を保護あるいは軽減できないことが明らかな場合、大臣は、委員会の同意を得て、その植物新品種の登録証の取り消し命令をすることが出来る。
第37条 植物新品種の登録日から数えて3年の期限が経過した場合に、第三者は、局長に対して、第33条第1項に基づく権利の使用を請求することが出来るが、その場合は、請求時に、植物新品種の繁殖種の販売がない、あるいは前述の繁殖種の販売量が国内の国民の需要に対して十分ではない、あるいは必要以上に高い価格で販売されていることが明白である場合に限る。ただし、植物新品種の権利者が、その行為は権利者自身が管理不可能な事態から発生したものであること、あるいはその植物新品種が混合種の生産に利用される品種であること、つまり国内の国民の需要に対して十分な量の混合種の生産があり、必要以上に高い価格で販売されていないことを証明することが出来る場合は除く。
局長は、委員会の同意を得て、権利の使用を請求する者に対し、植物新品種の権利者に対する相当な報償金を支払わせることにより、第33条第1項に基づく権利の使用を許可することが出来る。
植物新品種の権利使用請求、報償金の規定及び権利使用の期間は、省令の規定に基づく規則、方式及び条件に従わなければならない。
第38条 局長は、以下の場合、委員会の同意を得て、植物新品種の登録証を取り消す権限を有する。
(1) 植物品種に第11条及び第12条に基づく特徴がない場合
(2) 植物新品種の保護登録証が、第13条、第15条、第16条、第17条、第19条、第20条に反して交付された場合
(3) 第19条に基づいて担当官に対して提出された出願の明細書に虚偽の記載がある場合 (1)(2)あるいは(3)の事情が存在する場合、如何なる者も、植物新品種の保護登録証の取り消し命令をするよう、裁判所に供述あるいは訴訟提起することが出来る。
第39条 植物新品種の権利者は、省令に規定する歩合及び方式に基づいて、年金を支払わなければならない。さらに、年金は、植物新品種の登録証を受領した日から数えて90日以内に支払われ、以後毎年支払われなければならない。
第40条 植物新品種の権利者が、第39条に基づいて年金を支払わなかった場合、未納の年金の30パーセント分の追加手数料を支払わなければならない。
植物新品種の権利者が、第39条に基づく年金の期限最終日から数えて90日以内に年金及び追加手数料を支払わなかった場合、局長は、委員会の同意を得て、その植物新品種の登録証の取り消し命令を出す権限を有する。
第41条 植物新品種の出願書、植物新品種の出願に対する異議申立て書、植物新品種の登録証、植物新品種の登録証に基づく権利の使用許可を求める申請書、植物新品種の登録証に基づく権利の譲渡を求める申請書、植物新品種の登録謄本については、省令の規定に基づく手数料が支払われなければならない。
第42条 植物新品種の登録証を破損あるいは紛失した場合、植物新品種の権利者は、省令に規定する規則及び方式に従って、植物新品種の登録謄本の受領を申請しなければならない。
第43条 本法に基づいて、地域固有植物品種として出願できる植物品種は、以下の特徴で構成されなければならない。
(1) タイ国内の特定の地方だけに独自に存在する植物品種
(2) 植物新品種として登録されたことのない植物品種
第44条 定住し、かつ文化体系を共同で継承してきた成人に達する者で、第43条に基づいて規定された特徴を持つ植物品種を共同して保護あるいは開発する者は、本法に基づく共同体として登録を請願することが出来る。その際、共同体の代表者を設置し、県知事に対し文書を提出しなければならない。
請願書は少なくとも以下の項目を必要とする。
(1) 共同して保護あるいは開発する植物品種。さらに、その植物品種を保護あるいは開発するにあたっての活動方法
(2) その共同体の会員名
(3) その共同体の土地区域及び隣接区域の地図の概略を含む土地の状態
共同体登録の申請及び共同体登録の許可に関する審査は、省令に規定する規則及び方式に従わなければならない。
第45条 植物品種がある地域だけに存在し、かつ前述の植物品種を保護あるいは開発する共同体が一共同体だけである場合、その共同体は、その保護地区の管轄の地方行政機関に対して、その共同体の代わりに地域固有植物品種の出願手続きを行うよう、請願書を提出することが出来る。
地方行政機関は、第1項に基づいて共同体からの申請書を受理した場合、委員会に対し、出願において必要な書類及び資料を過不足なく受理した日から、その地域固有植物品種の出願手続きを進行させなければならない。
第1項に基づく共同体が、共同組合法に基づいて農業従事者団体あるいは協同組合を設置した場合、その農業従事者団体あるいは協同組合は、その共同体の代わりに地域固有植物品種の保護を出願する権利を有する。
第46条 地域固有植物品種の出願、出願書の審査、及び地域固有植物品種の登録証の交付は、省令の規定する規則、方式及び条件に従わなければならない。
第47条 地域固有植物品種の保護登録を受けた共同体は、品種の改良、地域固有植物品種の研究、実験、調査、生産、販売、輸出、あるいはあらゆる様式の販売における排他的な権利を有する。この点について、その地域固有植物品種の登録証を受領している地方行政機関、農業従事者団体あるいは共同組合は、前述の共同体の代わりとしてその地域固有植物品種における権利者である。
第1項の内容は、以下の場合には適用されないものとする。
(1) 保護を受けている地域固有植物品種に関わる行為で、繁殖種として使用される目的のない行為
(2) 保護を受けている地域固有植物品種に関わる行為で、正当な行為
(3) 農業従事者が、自らが生産した繁殖種を使用することによって、保護を受けている地域固有植物品種に関する品種を栽培あるいは繁殖させること。しかし、大臣が、委員会の同意を得て、その地域固有植物品種を、品種改良を促進すべき植物品種であると告示した場合、農業従事者は、今までの量の3倍を超えない量の品種を栽培あるいは繁殖させることが出来る。
(4) 保護を受けている地域固有植物品種に関わる行為で、商業目的でない行為
第48条 商業目的で品種を改良、研究、実験、あるいは調査をするために、地域固有植物品種あるいは前述の植物品種の一部分の保存、調整、あるいは収集をする者は、地域固有植物品種の使用から得られる利益を分配する合意をしなければならない。
第1項に基づく行為者への許可、及び利益分配の合意について、地域固有植物品種の登録証を受領している地方行政機関、農業従事者団体あるいは共同組合は、その共同体の代理の法律行為者でなければならない。この場合、委員会からの同意を必要とする。第49条 他人に地域固有植物品種の権利を使用させることから得られる利益は、その植物品種を保護あるいは開発した者に対してその利益の20パーセント、共同体の共同収益としてその利益の60パーセント、及び法律行為者である地方行政機関、農業従事者団体あるいは協同組合に対してその利益の20パーセントの割合で分配されなければならない。
植物品種を保護あるいは開発した者の間の利益分配は、委員会の規定する規則に従わなければならない。
第1項に基づく利益分配に関する論争がある場合、委員会が審判、決定をしなければならない。
第50条 地域固有植物品種の登録証については、第31条の規定を準用しなければならない。
第1項に基づく地域固有植物品種の登録証の期限は、もしその植物品種が依然として第43条の特徴で構成されており、かつその共同体が第44条及び第45条に基づく特質を尚も有していると局長が判断した場合、1回につき10年間期間を延長することが出来る。
権利の期限延長の請求及び権利の期限延長の許可は、省令に規定する規則及び方式に従わなければならない。
第51条 第36条及び第37条の規程は、地域固有植物品種にも準用されなければならない。
第52条 商業目的で品種を改良、研究、実験、あるいは調査をするために、地域一般植物品種、野生植物品種、あるいは前述の植物品種の一部分の保存、調整、あるいは収集をする者は、担当官からの許可を得なければならない。さらに植物品種保護資金にその者の収益を送金することにより、利益分配をすることについての合意がなければならない。この場合は、省令に規程する規則及び条件に従わなければならない。
利益分配の合意には、少なくとも以下の項目を必要とする。
(1) 植物品種の保存あるいは収集の目的
(2) 必要とする植物品種の見本の量
(3) 許可を受けた者の遵守事項
(4) 合意において植物品種を使用することから得られる、品種の改良、研究、実験、あるいは調査における成果をめぐる知的財産所有者の指定
(5) 合意における植物品種の使用から得られる生産物の利益分配に関する合意に基づいた、利益分配の量、歩合及び期間の指定
(6) 合意の期限
(7) 合意の撤回
(8) 論争差し止めの方式に関する規定
(9) 省令の規定に基づくその他の項目
第53条 地域一般植物品種、野生植物品種、あるいは前述の植物品種の一部分を、商業目的なしに研究、実験、あるいは調査する者は、委員会の規定する規則に基づいて活動しなければならない。
第54条 植物品種の保護、調査及び開発に関する協力及び補助活動に使用する資金として、農業・協同組合省に植物品種保護資金を設置するものとし、以下の金銭及び財産で構成される。
(1) 第52条に基づく利益分配の合意から得られた収益
(2) 植物品種の保護登録から得られた金銭あるいは財産
(3) 政府からの補助金
(4) 支援者が寄付した金銭あるいは財産
(5) 資金から生じたその他の利子及び収益
第1項に基づく金銭及び財産は、国の歳入として扱われることなく、資金として取り扱われなければならない。
第55条 資金は、以下の活動のために使用される。
(1) 植物品種の保護、調査及び開発に関する共同体の活動に対する協力及び補助として
(2) 保護、調査の援助のため、地方行政機関に使用させること
(3) 資金運用における支出として
資金運用及び資金の支出管理は、委員会が、大蔵省の同意を得て規定した規程に従わなければならない。
第56条 農業・協同組合省副大臣を委員長とし、さらに委員会が設置した、7人を超えない者をその委員とし、さらに農務技術局局長を委員兼事務局長とした資金委員会を設置する。
第57条 資金委員会は、以下の権限を有する。
(1) 委員会に対して、第55条に規定された目的に基づく資金の使用についての方法、規則、条件及び重要性の順序についての提案
(2) 資金分配、資金協力あるいは資金補助申請の規則及び方式に関する規定の指定
(3) 第55条に規定された目的に基づいて使用するための、資金分配についての検討。この点は、委員会が規定した方法、規則、条件及び重要性の順序に基づくものとする。(4) 第55条に基づく、開発及び協力申請に対する許可についての検討
(5) 委員会の委託に基づくその他の活動
第58条 第7条及び第8条の内容は、資金委員会の活動任期及び辞職の期限についても準用されなければならない。
第9条の内容を、資金委員会の会議についても準用されなければならない。
第59条 第52条に基づく利益分配の合意に従った地域一般植物品種の利用から得られた植物品種保護資金からの金銭は、省令に規定する規則、方式及び歩合に応じて地域一般植物品種を利用する場所である地方行政機関に対して分配されなければならない。
第60条 年次暦の最終日から数えて120日以内に、資金委員会は、委員会に対する証明及び上申のため、会計検査院に対して、1年前の決算及び資金の収支に関する報告書を提出しなければならない。
資金の使用に関する前述の決算及び報告書は大臣に対して提出され、大臣は、内閣にそれを提出し、さらに官報に告示するよう処理しなければならない。
第61条 第33条あるいは第47条に基づく植物品種の権利者あるいは地域一般植物品種の権利者の権利侵害がある場合、裁判所は、権利者に対する損害額を、権利者の権利に基づく利益損失及び不可欠な支出をも含んだ損害の大きさを考慮することにより、裁判所が適当と判断した額に基づいて、違反者に弁償させるよう命じる権限を有する。
第62条 第33条あるいは第47条に基づく植物新品種の権利者あるいは地域一般植物品種の権利者の権利侵害となっている、すべての植物品種あるいは行為者の管理下にあるものについて、裁判所は、そのすべてを押収する命令を出さなければならない。
裁判所が押収したものすべては、国の所有物とし、さらに農業技術局は、委員会の同意を得て、局長の規定する規程に基づいて活動しなければならない。
第63条 植物新品種の管理登録に関する責任を有する担当官の中で、法に違反し、あるいは出願人からの同意を得ずに、第19条(3)に基づく植物品種の改良における方法に関する資料を他人に公開したり、その使用を認めたり、あるいは第19条(4)に基づく証明書に基づいて担当官に委託された、植物品種の繁殖種あるいは遺伝物質を他人に対して授与した者は、如何なる者も2年を超えない禁錮刑、あるいは40万バーツを超えない罰金、あるいはその両方を科せられる。
第64条 植物品種の権利者からの許可を得ずに第33条あるいは第47条に基づく行為のいずれかを行なった者は、2年を超えない禁錮刑あるいは40万バーツを超えない罰金、あるいはその両方を科せられる。
第65条 第34条に基づく行為を行なわない植物新品種の権利者は、1ヶ月を超えない禁錮刑あるいは2万バーツを超えない罰金、あるいはその両方を科せられる。
第66条 第48条あるいは第52条に基づく行為を行なわない者は、2年を超えない禁錮刑あるいは40万バーツを超えない罰金、あるいはその両方を科せられる。
第67条 植物品種が、本法に基づいて保護を受けた植物品種であると他人に誤解させる目的で、偽造あるいは模倣した標章を使用、あるいはその他の行為を行なった者は、6ヶ月以上5年以下の禁錮刑及び2万バーツ以上20万バーツ以下の罰金を科せられる。
第68条 植物新品種の登録証あるいは一般植物品種の登録証を取得する目的で、担当官に対し、虚偽の内容を表示することによって植物新品種あるいは一般植物品種の出願をした者は、2年を超えない禁錮刑あるいは40万バーツ以下の罰金、あるいはその両方を科せられる。
第69条 本法に基づいて罰を受ける違反者が、法人、あるいはその法人の代理人である場合、その過失に関して法律に規定された処の罰を受けなければならないが、その法人の行為を、自らが見聞あるいは容認できないうちに行われたと証明することが出来る場合は除く。
陛下の勅諭を拝受して
チュアン・リークパイ
内閣総理大臣
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