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タイ製造物責任法2008年

翻訳:矢守章子
監修:井口雅文

前文省略

第一条(名称)


本法令を「仏暦二五五一年安全でない商品により生じる損害責任法令(プララーチャバンヤット・クワームラッピ・トー・クワームシヤハーイ・ティー・グードクン・チャーク・シンカー・ティー・マイ・プロードパイ)」と呼ぶ。

第二条(施行時期)


本法令は官報公示日から一年が経過した時に施行する。

第三条


安全でない商品により生じる損害責任について特に規定した法律があり、本法令に規定されているよりも被害者に対しより一層の保護を与える場合には、その法律を適用するものとする。

第四条(語義規定)


本法令において、
「商品(シンカー)」とは、販売のために製造または輸入したあらゆる種類の動産に加え、農作物更に電気を意味する。ただし省令により規定された商品は除く。

「農作物(パリッタパン・ガセートラガム)」とは、稲作、畑作、果樹園芸、養畜、水産動物の養殖、養蚕、ラックカイガラムシの養殖、キノコの栽培など様々な農業から生じる作物を意味する。ただし自然に生じる作物は含まない。

「製造(パリット)」とは、製作、混合、調製、仕立、組立、創造、変質、変形、改良、選択、包装、冷凍、または放射線照射に加え、同様の形態にあるいかなる行為も意味する。

「被害者(プー・シヤハーイ)」とは、安全でない商品により生じた損害を受けた者を意味する。

「損害(クワーム・シヤハーイ)」とは、安全でない商品により生命、身体、健康、衛生、精神または財産に生じる損害を意味し、その安全でない商品そのものへの損害は意味しない。

「精神への損害(クワームシヤハーイ・トー・ヂッチャイ)」とは、痛心、困苦、恐怖、憂慮、悲嘆傷心、羞恥、または同様の形態にあるその他精神への損害を意味する。

「安全でない商品(シンカー・ティー・マイ・プロードパイ)」とは、製造もしくは設計における瑕疵、または使用方法、保存方法、警告もしくは商品に係る情報を定めていなかったこと、もしくは定めていたが正しくなかったもしくは明瞭でなかったことにより、損害をもたらすまたは損害をもたらす可能性のある商品を意味する。ここに商品の性質、通常推定できる商品の使用及び保管形態を考慮する。

「販売(カーイ)」とは、商業上の利益のために販売、支出、配布、または交換することを意味し、賃貸、割賦販売、調達、さらにそのための提示、勧誘または展示も意味する。

「輸入(ナムカオ)」とは、販売のために商品を王国内に持ち込む、または注文することを意味する。

「事業者(プー・プラコーブカーン)」とは、以下を意味する。
(一)製造者または製造委託者。
(二)輸入者。
(三)製造者、製造委託者または輸入者を示すことのできない商品販売者。
(四)名称、商号、商標、標章、事項を使用する者または製造者、製造委託者もしくは輸
入者であるとの理解を生じさせる形態を有する何らかの方法で表示する者。

第五条(事業者責任)


事業者の意図的な、または不注意による行為によってその損害が生じたかどうかにかかわらず、消費者に販売された安全でない商品により生じた損害において、事業者全員は被害者に対し共同責任を負う。

第六条(被害者側の証明要件)


事業者に第五条に基づく責任を負わせるために、被害者または第一〇条に基づく代理訴訟権を有する者は、被害者が事業者の商品から損害を受けたこと、かつその商品の使用または保管が通常の形態によるものであることを証明しなければならないが、どの事業者の行為によって生じた損害であるかは証明しなくてもよい。

第七条(事業者側の証明要件)


事業者は以下を証明できるとき、安全でない商品により生じる損害に責任を負わなくてもよい。
(一)その商品が安全でない商品ではないこと。
(二)その商品が安全でない商品であることを被害者が知っていたこと。または、
(三)事業者が適切かつ明瞭に定めた商品に係る使用方法、保管方法、警告、または情報
に基づかない間違った使用または保管により生じた損害であること。

第八条(製造受託者・部品製造者の証明要件)


製造委託者の注文に基づく製造者は、商品の非安全性が製造委託者の設計または製造委託者の注文にしたがったことにより生じ、かつ非安全性を予想しなかったおよび予測し得なかったことを証明できるとき責任を負わなくてもよい。
商品の構成部品の製造者は、商品の非安全性がその商品の製造者の設計、組立もしくは使用方法、保管方法規定、警告または商品に係る情報の提供により生じたことを証明できるとき責任を負わなくてもよい。

第九条(責任免除・制限の排除)


安全でない商品により生じる損害に対する事業者の責任の免除または制限のための、損害が生じる前になされた消費者と事業者間の合意、および事業者の発表または告知をもって、責任の免除または制限を主張することはできない。
本条に資するため、消費者とは消費者保護法に基づく「消費者(プー・ボリポーク)」と同じ語義であるものとする。

第一〇条(訴訟代理)


消費者保護委員会、消費者保護委員会が消費者保護法に基づき保証した協会および財団は、被害者の代わりに損害賠償を求め訴える権限を有する。このとき当該法の訴えの提起および訴訟手続きの代理に係る規定を準用する。
第一項に基づく被害者に代わる訴えの提起および訴訟手続きは、全ての手数料の免除を受けるが、最終審の手数料における責任は含まない。

第一一条(賠償金)


民商法典に定められたところに基づく違反のための賠償金のほかに、裁判所は以下の原則に基づく損害のための賠償金を定める権限を有する。
(一)被害者の身体、健康または衛生への損害の結果としての精神への損害に対する賠償金。被害者が死亡した場合は、被害者の夫、妻、直系尊属または直系卑属が精神への損害に対する賠償金を受け取ることができる。
(二)事業者がその商品が安全でない商品と知っていながら、もしくは重大な過失からそれを知らずに製造、輸入または販売したこと、またはその商品の製造、輸入または販売後に安全でないことを知りながら損害発生防止のために相当の実施を怠ったことが明らかであれば、裁判所は事業者に対し、裁判所が相当と判断したところに従い、本来の賠償金額に加えて罰則のための賠償金を支払うよう命じる権限を有する。このとき罰則のための賠償金は本来の賠償金の二倍を超えない。ここに、被害者が受けた損害の重大さ、事業者の商品の非安全性への認知、事業者が商品の非安全性を隠していた期間、安全でない商品と知った後の事業者の行動、事業者が手にした利益、事業者の財務状況、生じた損害への事業者の救済措置、被害者の損害の発生への関与といった状況を考慮する。

第一二条(賠償請求権の時効)


本法令に基づく安全でない商品により生じた損害への賠償請求権は、被害者が損害を知り、かつ責に任じるべき事業者を特定した日から三年を時効期間とする。またはその商品の販売があった日から一〇年を時効期間とする。
生命、身体、健康または衛生への損害が、被害者の身体への物質蓄積の結果である場合、または発症まで時間がかかる場合、被害者または第一〇条に基づく代理訴訟権を有する者は、損害を知り、かつ責に任じる事業者を特定した日から三年以内かつ損害を知った日から一〇年以内に請求権を行使しなければならない。

第一三条(時効期間の停止)


事業者と被害者または第一〇条に基づく代理訴訟権を有する者の間で支払われるべき賠償金に係る交渉がなされている場合、その間はどちらか一方が交渉の打ち切りを申し出るまで時効を停止する。

第一四条(他の法律に基づく賠償請求)


本法令の規定は他の法律に基づく権利に依拠した賠償金請求における被害者の権利を損なわない。

第一五条(法令施行前の商品)


本法令の施行日前に消費者に販売された商品は本法令の規定下には置かれない。

第一六条(主務大臣)


内閣総理大臣を本法令の主務大臣とし、本法令に基づく執行のため省令を制定する権限を与える。
省令は官報で公示した時、施行することができる。

国王陛下の勅諭を拝受して
スラユット ジュラーノン陸軍大将
内閣総理大臣

備考省略



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